星野源に希望を貰ったこと

www.youtube.com

 今回は少し長くなります。

 先日、星野源の最新アルバム『POP VIRUS』を購入したわけだが、正直な感想を言うと、『POP VIRUS』めちゃくちゃよかった。アルバムのタイトルにもなっている『POP VIRUS』もそうだし、『アイデア』も『Familiy song』も『サピエンス』も全部よかった。全体的な曲の音作りも、曲同士でまるで一つの長い曲を聴いているかのようにきれいで、引き込まれるような音で買ってよかったと思えるアルバムだった。

 

 ここまで『POP VIRUS』を語っておいてなんだが、僕は星野源の熱狂的なファンというわけではない。確かに曲も演技も本もラジオもできる、マルチタスクな彼はかっこいいと思うし、実際どれもすごくいいと思う。彼を知ったのも普通の人とほぼ同時期だったし、iTunesの曲の再生回数も、サカナクションやほかのアーティストと比べるとすごく少ない。

 じゃあなんで星野源聴くねんという話だけど、『地獄でなぜ悪い』(最初に張った動画の曲)に救われた(大げさ)からだ。

 初めて彼の曲を聴いたのは、高校生の時、親が買ってきた『YELLOW DANCER』という彼のアルバムを聴いたのが最初だった。

 

YELLOW DANCER (通常盤)

YELLOW DANCER (通常盤)

 

 このアルバムは有名な『SUN』と『時よ』が入っていたアルバムで、その中に『地獄でなぜ悪い』も入っていた。

 当時彼は、NHKで『LIFE』というNHKにしては珍しいコント番組に出演していて、その番組で知った僕ら親子は、このアルバムを無事、TUTAYAで購入するに至った。僕は当時、星野源なんてただのコントに出てた人ぐらいだったから、歌手としての興味はなかった、だから親の運手する車の中で流れていても、ほとんどの曲を聞き流していた。

 それから少し経って、進路という大きな壁にぶつかることになった。ここで僕は、一度はあきらめた将来の夢にもう一度挑戦しようと、ある専門学校を選ぶ決意をした。当時通っていた高校とは全くジャンルの違う専門学校だったし、その職業に就くのも難しいということで、僕は担任に、ひとり呼び出され、こっぴどく説得された。(こっぴどかったのでこっぴどかったと書く)僕は結果、この夢に少し曇りがかかってしまった。さらに追い打ちをかけるように、親が親戚に『息子の将来が(専門学校に行くことで)不安だ』といった旨の相談をしていることを偶然耳にし、複雑な家庭で育った僕からすれば、唯一の味方だった母から裏切りともいえる行為を受けることになった。一度あきらめた夢を復活した僕のことを、親は応援してくれている物と思っていた僕は、もう落ち込むに落ち込んだ。夜あまりの悔しさに泣きに泣いたし、親と喧嘩もした。

 そんな中youtubeの"あなたにオススメ”の欄に出てきたのがこの『地獄でなぜ悪い』だった。僕は当時group_inouというアーティスト(当時すでに解散済み)にハマっていてyoutubeでよく聴いていて、その関連できっと現れたんだと思う。

 再生ボタンを押した瞬間流れ、僕がこの曲の虜になるまで、そう時間はかからなかった。『ここは元から楽しい地獄だ』このワンフレーズで落ちた。そこから先の歌詞は、すべてが僕の心にグサグサと刺さった。あぁ、この世は楽しい地獄なんだと、何度も何度も聞いた。ほんとに。youtubeだけじゃ足らずに、親の車に置いてあった『YELLOW DANCER』をこっそり持ち出し、iTunesに取り込みiPhoneでまた、何度も何度も聞いた。その時見たブックレットで、彼の味わった”本当の地獄”を知り、もっとこの曲が好きになった。僕はこの曲でもう一度頑張ろう、地獄を進んでいこう、とやる気を取り戻すことができた。その後、僕は親を説得し、親にも今の夢を納得してもらったし、先生にも頑張る旨を伝え、今、その専門学校で夢を目指して頑張っている(つもり)。

 今いる場所が”楽しい地獄”かどうかは自分ではわからない。今自分がその”地獄”を進めているかはわからない。ただ僕がこの曲からもらったものは大きいし、今でも星野源の曲の中で一番大好きな曲だ。

 将来の夢につけるかどうか、正直今は不安でいっぱいでしかない。でも僕もただ進むしかない。その先の”地獄”で僕を待つ”誰か”のために

 

 地獄でなぜ悪い